ぼくのデフブラらいふ
門川紳一郎著、金井真紀絵・文
幼少期に聴力を失い、視力は光と影を感じ取れる程度しかない筆者が半生を振り返った。「デフブラ」は、盲ろう者を示す「Deafblind」を元にした造語だ。
指を使った「指点字」や手話に触って理解する「触手話」で意思疎通する。盲ろう者がどう学び、どう遊ぶか。著者の米国での留学生活や盲導犬との生活の様子は、新鮮な驚きが多い。
著者は障害者の自立を、「自分が決めた目標を、自分自身での判断で選択した社会資源やサービス等を利用して、達成する」ことと考える。そして、「問題は、受け皿側の社会が言ろう者を受け入れてくれるかどうか」とも語る。共生のあり方を問う一作だ。(ころから、