10月14日、ついにその日はやってきた。
盲導犬ベイスと新しいユニットとしてデビューしたのが2016年の3月9日だから、あれから8年と半年あまりを、
2人3客の重いで共に歩んできた。
真夏の熱い日も、雪が降る日も、日常のルーチンを共にこなしてきた、パートナーのベイス。一緒に関わり合う中で、辛いことも、嬉しいことも、二人で分かち合ってきた。そんな二人の絆から、いくつもの思い出に残るほっこりするような出来事がある。
ある飲み友達が喫茶店をはじめたというので、お祝いを兼ねて遊びに行った時のことだ。その友人は、自分は犬アレルギーがあるからとか、お客サンに動物アレルギーの人がいるかもしれないからなどと、けちな理由をつけて、
ベイスを遠ざけようとしていた。それほど動物嫌いだったらしい。ところが、ベイスを一目見て、気持ちが変わったという。
ベイスのかわいいこと、なつっこいこと、人当たりがいいことなどが周りをほっこりさせてくれるからだと思う。
最初はベイスをとおざけようとしていた飲み友達の喫茶店。何度か通っている内に、ベイスはそこのマスコットのようになっていた。
ベイスはぼくにとっては歩行のパートナーであるだけでなく、心を癒やしてくれる神の手のような存在でもあった。
ユニットがスタートして1年と半年が経過したころ、ぼくは仕事上のストレスや職場の人間関係から、だんだんと気持ちがふさぎ込んでしまったのだ。数日引きこもりになっていた時、「ベイスがいる。ベイスの散歩をしないとかわいそうだ」と思い知らされた。何もかもいやになっていて、やる気も動く気もうせてしまっていたぼくは、自分で自分に言い聞かせ、重い腰をあげたのだった。そうしてベイスと近所を少しばかり散歩する
ことができ、その結果、不思議と気持ちがいくぶんかおちついていくようだった。気持ちを楽にして歩くということが、ふさぎ込みがちだった自分へ活力を取り戻す一助となったのだと思う。
ベイスがいたからこそ、彼のためにもうごかなければならないんだ!自分一人だけの人生ではないんだ!ということに気付かされたと思う。
ベイス、ありがとう。今頃は、余生を過ごすために、ボランティアさんのところでまったりとすごしていることだろう。
そのボランティアさんの住まいは東京からそう遠くはないので、落ち着いたらべいすに会いにいこうと思う。
盲導犬ベイスと新しいユニットとしてデビューしたのが2016年の3月9日だから、あれから8年と半年あまりを、
2人3客の重いで共に歩んできた。
真夏の熱い日も、雪が降る日も、日常のルーチンを共にこなしてきた、パートナーのベイス。一緒に関わり合う中で、辛いことも、嬉しいことも、二人で分かち合ってきた。そんな二人の絆から、いくつもの思い出に残るほっこりするような出来事がある。
ある飲み友達が喫茶店をはじめたというので、お祝いを兼ねて遊びに行った時のことだ。その友人は、自分は犬アレルギーがあるからとか、お客サンに動物アレルギーの人がいるかもしれないからなどと、けちな理由をつけて、
ベイスを遠ざけようとしていた。それほど動物嫌いだったらしい。ところが、ベイスを一目見て、気持ちが変わったという。
ベイスのかわいいこと、なつっこいこと、人当たりがいいことなどが周りをほっこりさせてくれるからだと思う。
最初はベイスをとおざけようとしていた飲み友達の喫茶店。何度か通っている内に、ベイスはそこのマスコットのようになっていた。
ベイスはぼくにとっては歩行のパートナーであるだけでなく、心を癒やしてくれる神の手のような存在でもあった。
ユニットがスタートして1年と半年が経過したころ、ぼくは仕事上のストレスや職場の人間関係から、だんだんと気持ちがふさぎ込んでしまったのだ。数日引きこもりになっていた時、「ベイスがいる。ベイスの散歩をしないとかわいそうだ」と思い知らされた。何もかもいやになっていて、やる気も動く気もうせてしまっていたぼくは、自分で自分に言い聞かせ、重い腰をあげたのだった。そうしてベイスと近所を少しばかり散歩する
ことができ、その結果、不思議と気持ちがいくぶんかおちついていくようだった。気持ちを楽にして歩くということが、ふさぎ込みがちだった自分へ活力を取り戻す一助となったのだと思う。
ベイスがいたからこそ、彼のためにもうごかなければならないんだ!自分一人だけの人生ではないんだ!ということに気付かされたと思う。
ベイス、ありがとう。今頃は、余生を過ごすために、ボランティアさんのところでまったりとすごしていることだろう。
そのボランティアさんの住まいは東京からそう遠くはないので、落ち着いたらべいすに会いにいこうと思う。