「脊髄小脳変性症」とはどんな病気?
ブレイルセンスでインターネットニュースを何気なく読んでいたら、ふと気になる記事に手が止まった。ブレイルセンスは、それ自体に点字ディスプレイやメールアプリ、ブラウザ、無線WiFi等を兼ね備えた、言うならば「点字対応スマホ」だ。点字だけから情報を得ている盲ろう者にとっては、情報アクセスのための必需品で、ぼくなんかは朝起きてから夜寝るまでブレイルセンスを手放せない。
そんなブレイルセンスでYahoo!ニュースの記事タイトルを読んでいると、ふと気になる記事に手が止まった。それは、「脊髄小脳変性症」という疾患についての記事だった。この病気は国が指定した難病で、症状としては、歩行時のふらつきや、手の震え、呂律が回らないなどがあるとのこと。これらの症状のうち「歩行時のふらつき」はぼくの場合にも当てはまる。また、「呂律がまわらない」という症状も、気になるところだ。なぜなら、言葉によっては発音がうまくできないことがあるからだ。例えば、「たかだのばば」と発声しようとすると、舌がもつれるようになりうまく発声できない。
「ふらつき」に関しては小学生の頃からすでにその徴候はあった。長時間起立しているのが苦手だった。ふらつきを苦痛に感じるようになったのは、2011年、46歳の頃だったと思う。真っすぐ歩こうとするとふらついてしまい、階段の、特に降りる時は手すりを使わないとふらついて怖くなるようになっていた。
症状はゆるやかに、しかし確実に進行し、あれほど好きだったランニングを気持ちよく走れなくなったのにはショックが大きい。フルマラソンのような長時間かけて走る競技はふらつきがあると難しい。
幸い日常の歩行時は相棒のベイスやアーチが伴ってくれているので、さほど苦にはならない。盲導犬には本当に感謝している。
そして、症状が進むのをできるだけおさえるためにも、筋力維持に努めたい。
その他、「手の震え」については、特に震えているようには思えないが、気になることがあるとすれば、自署するのが難しくなっていることだろうか。以前はサインをしたり、住所を書いたりすることは問題なくできていたのが、いつの頃からか、うまく書けなくなってしまった。
さて、「脊髄小脳変性症」は、小脳という後頭部の下側にある脳の一部が病気になった時に現れる症状だそうだ。そして、このような症状を総称して、「運動失調症状」と呼ばれるらしい。このような症状の原因と考えられる病気の中に、腫瘍、血管障害、脳出血、炎症(小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害でない病気について、原因が不明な病気の一軍を「変性症」というそうだ。病気によっては、その場所が脊髄にも広がることがあり、「脊髄小脳変性症」という。
現在ではこの病気の原因の多くが判ってきている。この病気の約3分の1は遺伝性によるものだそうだ。ぼくの場合は、脳には特に異常はないはずだから、疑うとしたら「遺伝」だろうか。亡き父親が「運動失調症」だったと聞いている。
しかし、素人判断は危険なので、一度専門医の診察を受けてみることにした。
専門医による診察の結果を、またご報告したいと思う。


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